かつてはハッセルと言えばプロしか使えない高級カメラでした。私の学生時代には1セット揃えるには年収相当の資金が必要でした。が、今はそうではありません。特に中古価格は悲惨なものがあります。中判カメラの中古市場はどんどん小さくなっているようです。

 八ッセルは主に風景写真撮影に使っています。正方形フォーマットですから、撮影時に縦横を考える必要がありません。もちろん大きなフィルム面積からくるコクのある描写は代えがたいものがあります。さらに手持ち撮影が可能です。手持ち撮影には、まずファインダーを覗いて、ピントと構図をばっちり合わせます。構図の中心を位置をしっかりと覚え、ミラーアップします。写真右にあるスポーツファインダーで先ほどの中心を狙い、シャッターを押します。ミラーは既に上がっていますから、振動はレンズシャッターのみです。重いカメラで、その振動では手ぶれはほとんどありません。35mm判の1眼レフより手ぶれを止めることは容易です。

 レンズは、Planar80mmを標準に、Distagon50mm、Sonnar150mm、Sonnar250mmの4本です。150、250mmのレンズについているフードはコンタックスのメタルフードで専用品ではありません。50、80mmのフードはマミヤ67用のゴムフードを使います。
 これらのレンズで撮影したフィルムをルーペで見るとがっかりするかもしれません。35mm判ほどの切れがありません。しかし、プリントすると素晴らしい描写に変わります。フィルムから印画紙への拡大率を考えたら当然です。 

 
 私は、新しいカメラを買うと、まず炬燵に入れてみます。夏の炎天下で、車の中に放置することがあるからです。炬燵試験にパスすると、今度は冷蔵庫試験です。Distagon50mmは、中古で手に入れました。これを炬燵に入れたところ、シャッターの羽が動かなくなってしまいました。教訓です。ハッセルは炬燵に入れてはいけません。それに対しスウェーデン製のためか寒さには強いようです。真冬のモンゴル日食のときもトラブルはありませんでした。

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